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小学生から読める不朽のファンタジー物語|読書感想文にもおすすめ!

実は……

わたし、ファンタジー小説が大好きなんです!

 

もちろんミステリーや文学も好んで読むのですが、ファンタジー小説は少し特別。おそらく今までの人生読書記録の60%くらいはファンタジー系で占められている気がします笑。

「物語」だからこそ自由に繰り広げられる想像の世界は、まさに小説の醍醐味とも言えるのではないでしょうか。日常とは全く異なる世界観や出来事だからこそ、心置きなく物語に没頭することができますよね。

 

 

さて、「ファンタジー」と一口に言っても実はジャンルは様々なのですが、今回は細かい部分はさておき、「小学生におすすめの物語」をご紹介したいと思います。

小学校低学年でも読める作品もご紹介しますので、よろしければ夏休みにぜひ手に取ってみてくださいね!皆さんの「本の世界」がちょっとでも広がれば嬉しいです。

 

【1】角野栄子『魔女の宅急便』

言わずと知れた名作!ジブリ映画版の方の印象が強いかもしれませんが、原作もとても素敵な作品です。

ひとり立ちするために初めての街にやってきた13歳の魔女キキが、新しい街で始めた商売宅急便屋さん。相棒の黒猫ジジと喜び哀しみをともにしながら街の人たちに受け入れられるようになるまでの1年を描く。

このあらすじをご存じの方は多いと思いますが、原作は第6巻まで(+特別編3巻)まであることをご存じですか?実は13歳の時点で物語はお終いではなく、その後のキキやトンボの成長も綴られています。

「子どもの頃に昔読んだなぁ」という方も、お子さんと一緒に読み直してみたら面白いかもしれませんね(子どもより夢中になってしまうかも……)。

決して器用なタイプとは言えないキキは、たくさん迷い傷つきながらも、少しずつ「大人」として成長していきます。温かい人々に囲まれながら、ひたむきに頑張るキキの姿に励まされることも多いはず。日々を丁寧に生きることの大切さを教えてくれる物語です。

*書影は角川文庫の新装版

【2】ルース・スタイルス・ガネット『エルマーのぼうけん』シリーズ

こちらもまたまた名作!低学年の子でも楽しめる物語でありながら、完成された物語構成と予期せぬ展開は大人でも思わず引き込まれてしまいます。

エルマーはある日、年取ったのらねこからどうぶつ島に囚われているりゅうの子どもの話を聞き、りゅうの子どもを助けるために冒険の旅に出発します。エルマーはリュックにつめた道具をつかいながら、知恵と勇気でおそろしい動物たちに立ち向かうのですが……

魅力的な挿絵がいっぱいあるのも素敵ですよね!本を読むのに慣れていない子でも、絵本の延長の感覚で自然に物語を楽しむことができます。まさに読書デビューにぴったりの一冊。わたしも幼い頃、『エルマーのぼうけん』シリーズを買ってもらい、夢中になって読んだ記憶があります。

時にはハラハラドキドキ、手に汗を握りながら、エルマーといっしょに冒険の旅に出てみませんか?

【3】トーベ・ヤンソン『たのしいムーミン一家』

今回は名作ばっかり!笑

有名なのは百も億も承知ですが、素晴らしい作品だからオススメさせてください!

キャラクターについては見たことがある方ばかりかと思いますが、原作のストーリーはご存じですか?もちろん子ども向けの童話ではあるのですが、世界観が奥深く、どこか哲学的な台詞が時折胸にグサッと突き刺さります。

こちらもわたしが子どもの頃よく繰り返し読んだ作品なのですが、当時は少し怯えながら読んでいました笑。ちょっとシュールな場面もあるので、それを不気味に感じていたのかもしれませんね。ちなみに、アニメ版もいつも楽しみに観ていましたよ!(あれ、世代がバレそう……笑)

でも、その不気味さも「ハマる理由」の一つであり、「何だかよくわからないヘンテコな感じ」が魅力の一つでした。個性豊かなキャラクターも、読者を物語に引き込んでくれますね。

お決まりのハッピーエンドじゃ物足りない!ちょっと変わった物語が読みたい!という子にぜひおすすめしたい一冊です。

【4】ミヒャエル・エンデ『モモ』

子ども向けの作品ですが、大人が読んでも楽しめる!読み応えたっぷりの一冊です。全部で「362ページ」ありますが、内容的には小学校高学年であれば十分読めるぐらいかと思います。

あらすじは、表紙にも書かれている通り、

時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語

です。1973年刊行ですが、「時間」をテーマにしたこの作品は、現代社会にも通じる部分がたくさん。ファンタジー作品でありながら、「今」を生きる私たちに鋭い問題提起を投げかける側面もあります。名言とも呼ばれる文章が多いのも特徴ですね。

時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、だれひとり気づいていないようでした

読み応えたっぷりなので、ちょっと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、長期休みの期間にじっくり向き合うにはぴったりの作品です。せっかくなら、『モモ』を題材にして読書感想文にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね!

【5】上橋菜穂子『獣の奏者』シリーズ

日本のファンタジー界の巨匠といえば、上橋菜穂子さん。名作ばかりで、どれをご紹介しようか数時間悩みましたが笑、小学生におすすめするなら、この「獣の奏者」シリーズ!昔NHKでアニメ化もされましたね。

決して人に馴れず、また馴らしてもいけない生き物とともに生きる宿命の少女・エリン。憎悪と呪い、孤独と悲しみのなかでやさしく凛々しく生きる孤高の魂の物語。

ファンタジーなので、架空の生物が登場するのですが、描写がものすごくリアル!文化人類学の研究もしている著者だからこその緻密な世界観です。シリーズ後半は政治などの話題も絡まって、やや複雑な内容になってきますが、前半の二巻は小学校高学年ぐらいから楽しめるはずです。

ご紹介している書影は一般の講談社版ですが、「青い鳥文庫」からも出ているので、小学生が読むのであればそちらがおすすめです(一般版だと漢字が難しいかもしれませんね)。

生き物が大好き!生き物に興味関心がある、という人はぜひ手に取ってみてください。類まれなる才能を持ったエリンと、崇高な獣・王獣の壮大な大河物語です。

これを読んだら、上橋さんの他の作品もきっと読みたくなるはず……

 

いかがでしたか?

完全に個人の趣味丸出しのセレクトでしたが笑、どれもこれも長い間読み継がれてきた不朽の名作ばかり!読んで間違いなしの一押しです(他にもご紹介したい作品は山ほどありましたが、それは追々……)

 

本との出会いは一期一会だと思っています。

同じ本でも、どのタイミングで出会ったのかによって受け取り方は様々です。子どもの頃に読んだからこそ、心に残っている作品もあれば、大人になって読み返してようやく腑に落ちた作品もあります。

 

ぜひ「今」だからこそ楽しめる本の世界を大切にしてください。

たくさんの本を読むことが「偉い」わけではないのですが、素晴らしい本との出会いは人生の貴重な財産になります。海外で生活していると、なかなか日本語書籍に手を伸ばしにくいので、ぜひ一時帰国の際には本に触れてみましょう!

 

名作と呼ばれた本を手に取るのも良し。

何となく気になった本を選ぶのも良し。

知人友人のお勧めに従ってみるのも良し。

 

今回は、ファンタジー小説にテーマを絞ってご紹介しましたが、もちろんそれ以外にも素敵な作品はたくさん!せっかくなら、長期休みの期間に読書時間を設けてみてはいかがですか?

 

 

川口

 

*今回ご紹介した本の書影はすべて「版元ドットコム」様から引用しました