ジャカルタ教室長より
海外で生活する子どもたちは、 貴重な経験をする機会 に恵まれています。
現地の方々との交流や様々な文化・習慣に正にその身を持って触れ、感じることができるというのは、日本に住んでいてはなかなか経験できることではありません。幼稚園、小学校、中学校と多感な時期にそのような経験ができるというのは、その子の 価値観に大きな影響 を与えるでしょう。
一方で、海外だからできない、ということも同時に多々あります。ことジャカルタにおいては、子どもが一人で自由に出歩くというのが難しい状況にあります。街中には “素晴らしい教材” が至る所に転がっていながら、離れたところから眺めるしかありません。我々大人はそのような子どもたちに何をしてあげられるでしょうか。
私は以前、 アフリカのある現地高等学校で理科教員 として勤めていました。
高校進学率が決して高くないその国の高校生は、さすが高校まで進学するだけあって多くの知識を持っています。しかし理科実験をやったことのある生徒はごく僅かです。
そのような生徒のため私は通常の授業とは別に、実験教室を開いていました。「火のついたロウソクにガラス瓶をかぶせる」という日本であれば小学校で誰もがやるであろう実験を、結果を知っている生徒がいても、実際にやったことのある生徒はそのときの教室にはいませんでした。私は、その実験でロウソクの火が消えた瞬間の生徒たちの顔を忘れません。教科書の「酸素がなくなると火が消える」という「知識」が「経験」に変わった瞬間でした。
あの喜びと驚きが、勉強の醍醐味 だと私は考えます。
もちろん多くの知識を持っているというのは誇るべきことです。
しかし、変化の激しい複雑な時代では、 その知識をいかに活用するか が更に求められます。子どもたち自身が主体的に学び、そして喜びと驚きを繰り返すことで「確かな力」が育まれ、未来が切り開かれていきます。
子どもたちの「今」と「未来」の幸せ を、ご家庭と一緒になって真剣に考える。私たちの塾は、そのような場でありたいと願っております。
KOMABAジャカルタ校室長
佐嶋 和人