こんにちは、川口です。
今回は幼児クラスの 「一対一対応」 という数の学習の様子についてお伝えしたいと思います!
いずれの単元でもそうなのですが、KUNOメソッドでは 具体物を使って考える のが基本です。数の学習の場合も、いきなり数字や式で考えるのではなく、まずはモノの操作を通して、増減や数の関係について学んでいきます。
今回の 「一対一対応」 とは、まず2種類のモノを一つずつペアをつくって対応させて、余った方の数をみて 「多いー少ない」 を考えるやり方です。たとえば、今回はペットボトルとふた、コップとストローを使って学習しました。
ペットボトルが6本、ふたが4つある場合、まずは一つずつペアを対応させていき、さいごに余った2本のボトルに着目して考えます。余っている方が「数が多い」ので、この場合は 「ペットボトルの方が2つ多い」 もしくは 「ふたの方が2つ少ない」 と言うことができます。
小学生であれば、 ひき算 を使って考えますね。差を求める問題なので「6-4=2」となります。
ところが、このひき算というのは実は少し厄介!
「6つあったアメのうち、4つを食べました。残りはいくつですか?」という問題も「6人の子どもがいます。そのうちの4人は女の子です。男の子は何人ですか?」も、 同じ「6-4=2」になってしまいます 。
「6-4=2」という計算ができることと、 正しくその意味を理解しているかどうか は、必ずしもイコールではありません。このあたりが曖昧なままだと、だんだん学年が上がるにつれて文章題が苦手に……
そのため、KUNOメソッドでは、いきなり数や式を学ぶのではなく、まずしっかりと その概念を理解すること を大切にしています。生活や遊びと関連させながら、子どもたちが学習をイメージすることがポイントです。
「こぐま会」代表の久野先生は、コラムの中で数の学習について下記のように書いていらっしゃいます。
自分の生活や遊びを土台に数のイメージ化を図り内面化することによって、数の操作が意味を持ちます。小学校の授業のように、最初から数字の学習をして、その世界で計算処理をするような、いわば生活と切り離したところで数の操作をするといった数教育では、答えは出ても論理数学的な思考は身につきません。ですから文章題になるとお手上げ・・・という子が大量に生み出されてしまうのです。そうしたことを考えた時、幼児期の段階から、数の操作を生活の実態と切り離して学ばせるような教育に私は反対です。今回のように、生活の一場面を使って普段の生活を思い起こし、そこで数的なものごとの処理をしていくことに大きな意味があると思います。
こうした学習は何も教室限定のものではなく、 日々の生活や遊びの中でも実践することが可能 です。久野先生の著書でも、家庭での学習法が紹介されていますので、ご興味のある方はぜひ手に取ってみてくださいね!
川口