先日、小6国語の授業で物語文を扱いました。その内容は、ある男の子が野球の試合中に監督やチームメイトと決めた規則を破り、自分の判断で行動した結果、チームを勝利に導いたという話でした。この話を読んだ後、「規則を破るのは良くない」という意見と「チームを勝たせたから問題ない」という2つの意見が出ました。そこで、2つの意見の理由を聞いてみると、一方は「みんなで決めた規則はみんなのためのものだから破ってはいけない」、もう一方は「規則を破るのは良くないけど、チームのためを思って行動して勝利できたから悪くない」という理由でした。子ども達の意見を聞いていて、どちらの意見も間違っておらず、正しいことを言っていると私は思いました。確かに団体競技でルールを破ることは、チームの士気や統率が乱れるきっかけになります。実際、私もッカー部に所属していた高校時代に「集団生活をする上で時間を守る・ルールを守ること」など先生から何度も指導されました。チームスポーツにおいて自分勝手な行動はチームに悪影響を及ぼします。しかし、登場人物の男の子はチームの勝利のためにどうしたらいいかを考えた結果、たとえ規則を破って自分の判断に従うことが最善と考えて行動しました。この場面では自分の判断で行動した男の子の判断がいい結果をもたらしたと言えます。しかし、上手くいかずチームが負けてしまったらどうなっていたでしょう?この男の子はチームが敗戦した結果を受けて責任を感じるかもしれません。もしかしたら、野球が嫌いになっていたかもしれません。
そこで、高校時代の先生の言葉がふっと頭をよぎりました。それは、高3の先輩たちが引退して新チームになる時のミーティングで言われた言葉でした。先生は、我々に向かって「チームのために自分の判断で行動するのは間違っていない。しかし、その判断にはチームの勝敗を左右する責任が伴う。その重さを理解しているなら、自分の意見をしっかり言ってきなさい。」と仰っていました。
この話の場面も男の子も監督もチームメイトも全員が「勝ちたい」という思いは変わりません。しかし、自分の行動には「責任」が伴います。それをしっかり受け止める覚悟が男の子にはあったのかを小6生にも考えてもらいました。その中で「あったと思う。」や「そこまで深く考えていない。」など様々な意見が出ました。確かに本文を読む限りそこまでの心情や情景描写はなく、どっちも考えられる内容でした。
ここで大切な事は男の子の心情を理解するよりも、この男の子はどうしたらよかったのかをしっかり考えることです。小6の生徒たちは一生懸命考えてくれました。しかし、明確な答えがあるわけではないのでなかなか結論に結びつかなかったのも事実です。授業の最後に私が生徒たちに伝えたのは「自分の行動には責任が伴うこと」と「自分の意見をしっかりと相手に伝えることの大切さ」を伝えました。
子どもたちはこれからの人生でもっと難しい問題にぶつかる時が出てくるはずです。そんな時に自分の行動の責任の重さを理解し、相手の立場を考えて自分の意見を言える人間になって欲しいと思います。今日、授業を受けた小6生たちはきっとそういう人間になれると私は思います。
長津