中2国語の授業で、四字熟語を扱いました。いくつか四字熟語の意味、読み書きを確認していく中で、「四面楚歌(しめんそか)」という言葉が出てきました。その意味は「敵に囲まれて孤立し、助けがないこと。周囲の者が反対者ばかりであること。」です。
この言葉を見て、私が高校生の頃、担任の村田先生がよく口にしていたことを思い出しました。なぜ、村田先生がよく口にしていたかというと、村田先生は、すごく生徒の気持ちに寄り添ってくれていたので、私たち生徒の要望を聞きすぎて職員室で学年主任の先生や教頭先生によく注意されていたそうです。
「あなた達の言うことを聞きすぎて、私は職員室で四面楚歌よ。」
とよく言われました。
当時はその言葉の意味も深く考えていなかったのですが、今思えば村田先生に申し訳ない気持ちで一杯です。静岡の田舎の私立校で、部活も勉強も精一杯頑張ることがテーマのいわゆる「文武両道」を唱っていたクラスでしたので、元気が有り余っていたのか部活の時間まで待ちきれない私たちは休み時間は紙を丸めて廊下でサッカーや野球をしたり、掃除の時間で端から端まで雑巾がけの競争をしたり、先生に手を焼かせたクラスだったと思います。
この仕事に就いて改めて村田先生の苦労と私たち生徒のことをすごく思ってくれていたのだとつくづく感じました。私たち生徒の気持ちに寄り添い、校則をしっかり守らせて元気が有り余る高校生30人をまとめ上げた村田先生には本当に頭が上がりません。村田先生の偉大さに気づいたからこそ、私は今もこの仕事を続けているのだと思います。
そして、村田先生のように生徒の気持ちに寄り添い生徒一人一人が輝かしい未来が送れるように精一杯頑張ろうと改めて思いました。まだまだ、若輩者ですが少しでも村田先生に近づけるように、生徒達と真剣に向き合っていきたいと思います。
長津