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2025年 総合学習②「鳥獣戯画の世界」

今週の火曜日、水曜日に小学生は「総合学習」を行いました。テーマは「鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)の世界」です。皆さんは「鳥獣戯画」をご存知ですか。

少し「鳥獣戯画」の説明をしますね。「鳥獣戯画」とは京都・高山寺(こうさんじ)に伝わる有名な絵巻物で、日本の国宝になっています・「鳥獣(ちょうじゅう)」=鳥や動物を意味し、「戯画(ぎが)」=おもしろい絵、まんがみたいな絵を意味します。つまり、「鳥獣戯画」とは 動物たちが人みたいに遊んでいる様子を描いたまんがのような絵巻のことです。全巻の長さは約45メートル。甲・乙・丙・丁の四巻分かれていて、それぞれに少しずつテーマや雰囲気が違い、今からおよそ800年前、平安時代の終わりごろ12世紀に描かれたと言われています。はっきりと誰が描いたかはわかりませんが、お坊さんたちが描いたと言われています。現在と違い、娯楽の少なかった当時の人々のユーモアや文化を知る手がかりになるため国宝として認定されています。

「鳥獣戯画」は小学生の国語の教科書や、中3の英語の教科書に掲載されたこともあり日本の文化を代表する一つとなっています。今回の総合学習では日本文化の魅力を理解し、我々の祖先が当時どういう生活をしていたのかを考えるきっかけになって欲しいと願い今回のテーマにしました。

子ども達のほとんどが「鳥獣戯画」を見るのが初めてで、どうして兎が人間のような動きをしているかや蛙が猪を捕まえる絵では不思議そうな表情をしていました。現在、「まんが」や「アニメ」など日本文化が世界でも注目を集めています。その原点が「鳥獣戯画」かもしれないという事をしって子ども達は驚いた様子でした。

現代では、クリック一つで動画が流れ、画質も鮮明な映像が流れてきます。そこには、リアリティーを感じられ、実際に体験したかのように私たちに思わせてくれます。そして、よりリアルな画像、より画質がいいものを求めてどんどん発展しています。本当にすごい世の中になったと感心させられます。しかし、その一方で、 我々はリアルな物ばかりを求めて、自分で想像する機会が少なくなっているのではないでしょうか。「鳥獣戯画」のように白黒で動作や筋肉の付き方などを表し、動物達が何をしているのかを各々捉え方が違う絵画は、当時の時代背景を考えながら想像する機会を与えてくれると思います。実際に「鳥獣戯画」を見て、子ども達も1人1人違う遊びを答えていました。

「鳥獣戯画」のような絵画や短歌・俳句など、はっきりと気持ちや情景などを表さず、見た人によって捉え方が違い、作者の気持ちや時代背景を想像する楽しさが日本文化の魅力の一つでもあります。今回の総合学習では子ども達も日本文化の魅力を知るきっかけになったと思います。皆さんもこの機会に短歌・俳句など古来から伝わる日本文化に改めて触れてみるのもいいかもしれませんね。

長津